
三つ目の答えは,キク科の ノボロギクです。前回のオオイヌノフグリに続いてひどい名前ですよね。「野にある襤褸な菊」ということでしょうが,もうちょっと何とかならなかったのでしょうか。
だいたい植物学者の先生方はいじめっ子が多かったのでしょうか。逆にいじめられっ子で,仕返しとして草花に八つ当たりしているのでしょうか。かわいそうな正式和名を持たされている草花が結構あります。ボロギクのつく植物は,私の知っている限りでも,ノボロギク,ダンドボロギク,ベニバナボロギクと3種類あります。そもそも「ボロギク」とはサワギクの別名で,サワギクの小さな花が集まった様子が襤褸を広げたようだということからつけられたと,牧野図鑑にありました。

ノボロギクはヨーロッパ原産で明治の初め頃日本に渡ってきたとされています。今では日本中いつでもどこでも見られます。タネはタンポポのように綿毛に覆われていますが,タンポポのそれよりはるかに毛深いように思われます。とにかくノボロギクのしぶとさには驚かされます。